地すべり


地すべりは、わりあいゆるいかたむきの斜面で、地面が大きなかたまりのまま、下に向かってズルズル動き出すことをいいます。地すべりの動きはふつうはゆっくりで、
1日に数ミリていどと目に見えないほどですが、とつぜん一気に数メートルも動くことがあります。地震がきっかけで、とつぜん起こる地すべりもあります。
地すべりは広いはんいで起こるため、家や田畑、道路や鉄道などが、一度に大きな被害を受けてしまいます。
また、地すべりですべり落ちた土砂が川をせき止めて、上流に洪水が起こったり、その土砂がたまった水の力で一気におしながされて、土石流になったりすることもあります。

右の写真:長野県長野市の地附山(じづきやま)で起こった地すべり(1985年7月26日) 老人ホームがうまり、たくさんのお年寄りがなくなりました。

長野県長野市の地附山(じづきやま)
で起こった地すべり(1985年7月26日)
地すべりのしくみ

地面は、かたさや性質のちがう土や石が、いくつもの層(地層)に積み重なってできています。その中には、水を通しにくいねん土などの地層もはさまっています。雨がふったり、雪どけ水が地面にしみこんだりすると、その水はねん土層の上にたくさんたまります。すると、ねん土層をさかいに、上の地面がたまった水の力で持上げられて、かたまりのままゆっくりとすべりだします。これが地すべりです

地すべりの種類

地すべりは日本中どこでも起こるというわけではなく、とくべつにすべりやすい性質の地層があるところで、何度もくり返して起こります。その地層の種類によって、地すべりは第三紀層(だいさんきそう)地すべり、破砕帯(はさいたい)地すべり、温泉地すべりの3種類に分けることができます。

第三紀層地すべり 破砕帯地すべり 温泉地すべり
第三紀というのは、今から約6500万年から約170万年前、日本列島の日本海側のほとんどが海の底だった時代のことです。このころ、海底にいろいろなものが積もってできた地層を第三紀層といいます。この地層は、水をふくむとヌルヌルのねん土になる性質があります。新潟県や長野県の北部などで起こる地すべりは、たいてい第三紀層地すべりです。わりあい、ゆっくりすべるのが特ちょうです。 破砕帯というのは、岩石にひび割れがたくさんできて、くだけやすくなっている地層のことです。大きな断層(地面をつくる岩の板が、割れたりずれたりして起こるくいちがい)があるところでは、断層の動きによってまわりの地面が大きな力を受け、くだけたり、変質してねん土になったりしています。そういう場所で起こるのが破砕帯地すべりです。わりあい動きが速いのが特ちょうです。 地層が、温泉の熱やガスの影響で変質し、ねん土状になったところで起こります。火山や温泉のあるところで見られます。
地すべりと米作りの関係

地すべりの中でも第三紀層地すべりがくり返し起こっている場所は、なだらかな斜面になっていることが多く、こうした土地には、むかしから棚田(たなだ:斜面にだんだんに作られた水田)がよくつくられてきました。「地すべりのしくみ」のところで説明したように、地すべりが多いところは地下水が多く、わき水の池なども多いため、農業用水にはこまらないし、また、何度も地すべりが起こっているため、地面が深いところまでよく耕したのと同じ状態になっていて、田んぼにしやすいのです。新潟県でおいしいお米が取れる場所として有名な魚沼地方は、地すべりが起きやすい場所でもあります。

このように、人々は土砂災害の起こりやすい土地もくふうして利用しているわけですが、これは一方で、いつも災害の危険にさらされているということでもあり、日ごろからじゅうぶん注意が必要です。


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